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趣味の記録 JJ1IFV

コンディションに関して理解する

FT8でDXを始めたのでコンディションに関して理解していこうと思います。

サイクルってなんだ?

HF帯の電波は電離層と地表を反射しながら遠くまで進んでいきます。 その電離層の状態というのは約11年周期の太陽活動の活発具合によって変化し、現在はサイクル25という周期の中にあり活発な状態となっています。 太陽の活動は太陽黒点の数に比例して活発になり、太陽フレアなどの現象も多く発生するようになります。

2023年12月1には、11月29日に発生した太陽フレアの影響とされるオーロラが北海道でも観測されました。 北海道でオーロラが観測されるのは20年ぶりで低緯度で観測されるオーロラは空が赤くなり所謂オーロラとは違うものの神秘的な光景ですね。

www3.nhk.or.jp

太陽フレア・オーロラに関しては、国立極地研究所 研究教育系・宙空圏研究グループの片岡 龍峰 准教授がXで速報や解説をしてくれていたりしますのでフォローしておくと楽しいです。 専門家ではないとわからない事も多いですが、専門家が騒いでいるという事はすごい事がおきているんだという事はわかります(笑)

サイクル25

2019年12月にサイクル24の極小を迎え、サイクル25が始まったとされています。 自然現象なので結果的にそうだったようだという事なのでしょうね。梅雨明けと一緒にすると雑かな。

当初、サイクル25の極大期は当初2025年と言われていましたが、最近の発表的には2024年1月から2024年10月と言われています。 2024年っていったら来年じゃないか!急がなきゃ!

forbesjapan.com

testbed.swpc.noaa.gov

電離層(電離圏

電離層は歴史的な呼び名で学術的には電離圏と呼ばれるのですね。知らなかった。
窒素や酸素が、紫外線やX線により電離した領域の事で、電子密度によってD層、E層、F層(F1層、F2層)に分かれている。

HFでは、昼間は高い周波数が反射され、夜間は低い周波数が反射される。 これは、日中帯がハイバンド(21Mhzや28Mhz)がよく飛んで、7Mhzが夜間にDX向きになる事をいうのだとおもう。

紫外線やX線に左右されるため、太陽フレアにもろに影響を受ける事となる。
アマチュア無線に関係しそうな現象は以下の通り

デリンジャー現象

太陽フレア起源のX線が急増するとD層で電波が吸収される現象がおきる事がある、これをデリンジャー現象という。 従事者試験にも出ましたね。

電離圏負相嵐

太陽フレアに伴ってコロナ質量放出(CME)と呼ばれるプラズマの塊が太陽から放出され、地磁気圏に吹き付けた場合に磁気嵐が発生する。 これにより、 極域の超高層大気の加熱による大気組成の変化が地球全体に広がり、化学反応を通して電離圏プラズマ密度が減少する現象。 通常F層で反射するHF帯の電波が反射されずに電離圏を通過してしまう。

太陽フレアから1~数日後に磁気嵐が発生し、そこから数時間〜数日発生する。

このあたりの説明はWikipediaにきれいにまとめられている。

ja.wikipedia.org

NICTの資料もわかりやすい。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000800168.pdf

コンディションを構成する各種数値

SSN(サンスポットナンバー)

いわゆる黒点の数の事。黒点の数が増えれば太陽の活動が活発だ!という事で指標として使われている。

swc.nict.go.jp

SFI(Solar Flux Index)

この指数がどのような意味を表すのか1次情報をあたるのが非常に大変だった。
ソーラー・フラックス(SF)とは、太陽黒点周辺の太陽大気のコロナで発生する波長10.7cm(2800MHz)の電波のこと。SFは大気の電離の尺度である。SFが高いほどE層とF層の電離レベルが高く、高周波電波の反射率が高くなる。
カナダ ブリティッシュコロンビア州ペンティクトンにあるドミニオン電波天文台に設置されている太陽フラックス計測儀よって計測されている。
ドミニオン電波天文台の場所に関してオタワ州としておりましたがブリティッシュコロンビア州が正しいです。

毎日3回の測定が行われ、3月から10月にかけては、1700、2000(現地正午)、2300UTに測定が行われる。しかし、山の谷間に位置し、緯度も比較的高いため、1年を通してこの時刻を維持することは不可能である。
そのため、11月から2月にかけては、フラックスの決定時刻を1800、2000、2200に変更し、太陽が地平線から十分に高くなるようにしている。

この値が高ければ高いほどコンディションが良いという事になる

ja.wikipedia.org

www.spaceweather.gc.ca

K指数(K-INDEX)及びKp指数

アマチュア無線家のホームページ等でK指数及びKp指数に関して詳細に解説しているページはあまりなく、大学のページやNICT気象庁地磁気観測所のページをあさる事になった。
ざっくりと以下のような理解で良いと思う(自信はない)

1日を3時間毎に8つに分割し、地球磁場の水平成分の乱れを0~9の整数で数値化したもので、1が平穏、5以上が地磁気嵐を示す。
測定した値と地磁気静穏日変化(Sq)をから算出される。地磁気静穏日変化はたぶん、太陽等になにも起きていない場合の値の事なんだと思う。そんな日あるのか。

注:調べた資料の中にはこれに加えてSr(多分、1日の中での静穏的な振幅)を計算にいれているという記載があった。難しい。

観測所はサブオーロラ帯(オーロラ帯の少し赤道側)に13箇所設置されている。当たり前だが日本はサブオーロラ帯に属する地方は無い。
https://dxheat.com/dxc/ なんかで発表されているK-INDEXはどこの観測所のものなのか、それとも13箇所平均とかそういう値なのかはわからなかった。

Kp指数は、K指数を観測所毎の時間や季節的な変化を加味して変換された値で、K指数と同じく3時間毎に0,0+,1-,1...,9-,9 の28段階の値で表される。

気象庁地磁気観測所は、茨城県石岡市柿岡、北海道女満別宮城県鹿屋、国内3箇所で測定されており、東京都小笠原村父島にも観測点がある。
NICTにおける地磁気撹乱の値は、茨城県石岡市柿岡に所在する地磁気観測所で観測されたK指数をもとにされている。
4箇所で計測しているのに1箇所のK指数のみ採用しているのは、国内でいうとあんまり差が出ないという事なのかしら。

NICTの予報とK指数の関係は以下

レベル 説明
非常に活発 (Major storm) K指数 = 6の活動が起こると予想される。
活発 (Minor storm) K指数 = 5の活動が起こると予想される。
やや活発 (Active) K指数 = 4の活動が起こると予想される。
静穏 (Quiet) K指数 = 4未満の活動が起こると予想される。

K指数(K-INDEX)に関しては低いほど静穏でコンディションが良いという事で良い

参考資料: wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp en.wikipedia.org ja.wikipedia.org

A指数(A-INDEX)

これを説明しているページが無くて探し回ったが、英語版のwikipediaにあった。
Kp指数を特定の数値テーブルで変換し、24時間分(Kp指数が3時間毎なので8個分)を足して平均を取る算出される数値である。
ぶっちゃけ、これが何を意味しているのかがあまり良く分からなかった。現時点でのK指数(もしくはKp指数)を見ればよいのでないかと思ったので。

気象庁地磁気観測所から参照

上記ページを見ると、地磁気嵐は初相で急激に増加し、そこからぐっと下がり、緩やかに回復していくという動きをするようです。
そうなるとA-INDEXは過去24時間を見るので、K指数もしくはKp指数の現在の値とA指数を見ることで現在は初相なのか主相なのか回復相なのかをざっくり見れるという事なのでしょうか。
現在のK指数がさほど高く無いけどもA-INDEXが高い場合は、つい直近で地磁気撹乱がありその影響がでている可能性があるよというふうに理解すれば良さそうです。
もっと違う見方があるのかな。。。

NICTにおいてA-INDEXは発表されていませんが柿岡の地磁気観測所のホームページを見ると、日合計値が発表されています。
合計値なのでA-INDEXとは別物ではありますけども似たような数値として把握できると思います。

参考ページ

en.wikipedia.org www.kakioka-jma.go.jp www.kakioka-jma.go.jp

まとめ

という事で、いわゆるコンディションに関しての指標やその意味などを調査してみました。 このあたりの自然科学が大好物なので、ちょっと突っ込んで調べてみました。 インターネットの普及のおかげでこの辺りの資料がわんさか公開されているのが嬉しいですね。