x-x-x

趣味の記録 JJ1IFV

NICT(情報通信研究機構) 第18回宇宙天気ユーザーズフォーラムの資料が公開されました

この週末 23日(土)〜24(日)にかけて宇宙天気関連イベントが盛り沢山でしたね。
ちょうどタイミングよく、2月29日にNICTさんが開催した第18回宇宙天気ユーザーズフォーラムの資料が公開されていたのでそれとともにまとめて見たいと思います。

太陽フレア 発生 2024年3月23日(土)日本時間 10時33分

X1.1フレアが発生しました。このX1.1というのが太陽フレアの大きさを表す指標で、太陽から放射されるX線強度の最大値によって、低い方からA, B, C, M, Xの5つの等級に分類されており、Xが一番強く10倍ごと(1桁上がるごと)に1つ上の等級となります。
ですので、NICTから太陽フレアの速報が出たときに最初はMでも時間がたつに連れてXになる事もままあります。
今回の太陽フレアはLDE(Long Duration Event)フレアというタイプのもので、持続時間が長いフレアだったようです。

NICTからはこのページでX線の測定値が公開されています。

swc.nict.go.jp

太陽X線の観測値

3月20日にも太陽フレアが発生していたのですが、そのときはM7.4/3Bという大きさだったようです。3Bというのが、光学重要度というもので、Ha線という波長で太陽フレアの面積を観測した結果となっています。 S、1、2、3、4の等級があり、あがるに従って面積が大きくなります。Bは明るさの指標で淡い(F)、普通(N)、明るい(B)となっています。

こちらもNICTから上記と同じページで公開されています。

たぶんこれがHa線で観測した太陽

太陽フレアに関しては、ユーザーフォーラムの資料で詳しく解説されています。

https://sw-forum.nict.go.jp/forum/2023/pdf/01.pdf

デリンジャー現象発生 日本時間 2024年3月23日 10時33分

23日 日本時間 10時33分に発生したX1.1フレアの影響で、同10時15分からデリンジャー現象が発生しました。
ちなみに、X1.1に達したのが10時33分なだけで、その前からX線はあがり始めています、その影響でX1.1に達する前にデリンジャー現象が発生していました。 我が家では、7Mhzと18Mhz帯に関しては全く、21Mhzと28Mhzに関してはかなり弱くなるような感じでした。

その時のNOAAが公開していた画像がこちらになります。

デリンジャー現象 直撃

赤いですね。1db以上の損失を受ける周波数をプロットしています。赤くなるほど高い周波数まで影響を及ぼしているという事ですね。
NOAAの以下のページで見ることができます。

www.swpc.noaa.gov

NICTでは以下で見る事ができます。23日のデリンジャー現象の画像保存し忘れた!!

swc.nict.go.jp

デリンジャー現象は、X線によって電離圏のD層の密度が高くなるため通常D層を通過しF層で反射する電波がD層で吸収されてしまう現象です。
X線由来の現象なので、太陽フレア発生から割とすぐに発生する現象です。
もうこうなるとアマチュア無線どころの話しではなくなるので、僕は無線はあきらめてお昼ご飯用にマカロニサラダを作りはじめました。

ユーザーズフォーラムの資料では以下の資料で詳しく解説されています

https://sw-forum.nict.go.jp/forum/2023/pdf/04.pdf

CMEの発生確認 日本時間 2024年3月23日 15時40分

NICTからの臨時情報として、CME(コロナ質量放出)の発生が確認されたと速報がありました。 太陽フレアに伴って、コロナガス(プラズマ)が噴出する現象。 噴出する向きと速度によって、地球に影響を及ぼすかどうかが変わるらしいです。 フレア発生からCMEがあった事がわかったのに時間差があるけどもこれは観測機器からのデータ到達の問題なのだろうか。 SOHO観測機のダウンリンクは200kbpsのようなのでその影響もあるのかしら。でも昔のモデムより早いね。

太陽フレアの発生から少しおくれて観測されはじめるみたいです

ユーザーズフォーラムの資料では以下の資料で詳しく解説されています

https://sw-forum.nict.go.jp/forum/2023/pdf/02.pdf

プロトン現象発生 日本時間 2024年3月23日 17時15分

デリンジャー現象に加えてプロトン現象も発生しました。 極冠域電離圏で影響がでるって事は、ロングパスによる交信にも影響でるのですかね?ビームアンテナ持っていないので肌で感じられないのは残念です。

プロトン現象発生中

プロトン現象に関しては以下の投稿でまとめています。

x-x-x.hateblo.jp

地磁気嵐 発生 日本時間 2024年3月24日 23時36分

フレアの発生からしばらくたってから地磁気嵐が発生しました。太陽風の地場の影響なのでフレアの発生から時間がかかるのですね。
このとき、太陽風が強い南向きの地場をもっている時に発生します。
今回は急始型というタイプのようですね。このあたりの説明は気象庁 地磁気観測所の資料が詳しいです。

www.kakioka-jma.go.jp

地磁気嵐、いわゆるK-INDEXが高いとアマチュア無線的にどうなのかっていうのがいまいち体験できていません。
短い経験の中でいうとやたら7Mhzのバンド内にノイズが入るのがそれになるのかなと思っています。 これに関しては、自分の短い経験ではなんともいえません。諸先輩方のご意見が知りたいところです。

こんな感じでノイズが入る気がする

ユーザーズフォーラムの資料では以下の資料で詳しく解説されています

https://sw-forum.nict.go.jp/forum/2023/pdf/03.pdf

まとめ

という事で23日〜24日にわたってアマチュア無線家が関係ありそうな宇宙天気に関するイベントを詰め込んだような2日間でした。
最後にこの資料をご紹介したいと思います。

情報通信研究機構 平 和昌氏(JL1FFA)による 「アマチュア無線で楽しむ宇宙天気」

https://sw-forum.nict.go.jp/forum/2023/pdf/06.pdf

この講演聞きたかったなぁ。
資料の中にこんな言葉がありました。

アマチュア無線は、HF通信を実体験できる特権を有しており、まさに「宇宙天気を肌で感じる趣味」。

はじめは、電波がうまく飛ばないのは機器の問題なのか、それともコンディションの問題なのかと調べ始めた宇宙天気ですがかなり興味深いです。
NICTさん、貴重な資料の公開ありがとうございました。

これからも宇宙天気を体験・体感しながらDXを楽しんでいきたいと思います。